カナダってどんなところなの?
人に聞かれた時にササッと答えられるよう簡単にまとめてみました!
カナダってどんなところ?
カナダは北アメリカ大陸北部に位置し、10の州(プロヴァンス、province)と3の準州(テリトリー、territory)からなる連邦立憲君主制国家。
イギリス連邦加盟国であり、英連邦王国のひとつ。
首都はオタワ(オンタリオ州)。
人口が一番多い都市はトロント(オンタリオ州)、次いでモントリオール(ケベック州)、そしてバンクーバー(ブリティッシュコロンビア州)。
建国記念日は1867年7月1日(2017年に建国150周年を迎えた、まだ若い国!)。
公用語は英語とフランス語。
国土面積は世界最大のロシアに次いで広い。
日本との時差は12時間半~17時間(サマータイム中は11時間半~16時間)。
カナダは、なんと6つのタイムゾーンに分かれています!
日本との時差を詳しく見てみよう
ゾーン | 英語表記 (標準/夏時間) | 日本との時差 | 協定世界時 との時差 | 主要都市 |
ニューファンド ランド時間 | NST/NDT | 12時間半/ 11時間半 | UTC-3:30/ UTC-2:30 | セント・ジョンズ |
大西洋時間 | AST/ADT | 13時間/12時間 | UTC-4/UTC-3 | ハリファックス シャーロットタウン |
東部時間 | EST/EDT | 14時間/13時間 | UTC-5/ UTC-4 | トロント オタワ モントリオール |
中部時間 | CST/CDT | 15時間/14時間 | UTC-6/ UTC-5 | ウィニペグ |
山岳部時間 | MDT/MST | 16時間/15時間 | UTC-7/ UTC-6 | エドモントン カルガリー イエローナイフ |
太平洋時間 | PST/PDT | 17時間/16時間 | UTC-8/ UTC-7 | バンクーバー ホワイトホース |
※ただし、サマータイムを適用しないエリアがあるので、細かく分けると10ゾーンになります!
カナダの10の州と3の準州について知ろう
州名 | 略号 | 州都 | 最大都市 | 州旗 |
British Columbia ブリティッシュコロンビア | BC | Victoria ビクトリア | Vancouver バンクーバー | |
Alberta アルバータ | AB | Edmonton エドモントン | Calgary カルガリー | |
Saskatchewan サスカチュワン | SK | Regina レジャイナ | Saskatoon サスカトゥーン | |
Manitoba マニトバ | MB | Winnipeg ウィニペグ | Winnipeg ウィニペグ | |
Ontario オンタリオ | ON | Toronto トロント | Toronto トロント | |
Québec ケベック | QC | Quebec City ケベック・シティー | Montreal モントリオール | |
Newfoundland and Labrador ニューファンドランド・ラブラドール | NL | St. John’s セントジョンズ | St. John’s セントジョンズ | |
New Brunswick ニューブランズウィック | NB | Fredericton フレデリクトン | Moncton モンクトン | |
Prince Edward Island プリンスエドワードアイランド | PE | Charlottetown シャーロットタウン | Charlottetown シャーロットタウン | |
Nova Scotia ノバスコシア | NS | Halifax ハリファックス | Halifax ハリファックス | |
Yukon Territory ユーコン準州 | YT | Whitehorse ホワイトホース | Whitehorse ホワイトホース | |
Northwest Territories ノースウエスト準州 | NT | Yellowknife イエローナイフ | Yellowknife イエローナイフ | |
Nunavut Territory ヌナブト準州 | NU | Iqaluit イカルイト | Iqaluit イカルイト |
カナダの公用語
さて、カナダの公用語は英語とフランス語と紹介しました。
ご存じない方も多いのですが、カナダでは英語とフランス語の2ヶ国語が公用語となります。
管理人が住んでいるケベック州はフランス語(ケベック州最大都市であるモントリオールはフランス語が第一言語、英語が第二言語のバイリンガル都市)、ニューブランスウィック州では英語とフランス語、その他の地域は英語が話されます。
どうして英語とフランス語の2ヶ国語が共用語になったの?
一言で言えば、元はイギリスとフランスの植民地だったからです。
実は、「カナダ」と名付けたのはフランス人!
フランスはイギリスより率先してカナダの地の開拓をしていき、現在のケベック・シティやモントリオールをフランス領と宣言し、東部を中心にその他の地域もフランスの植民地としていきました。
最終的にはフランスとイギリスによる何度かの領土争いの末、イギリスがフランス領の要塞を次々と陥落。2つの島を除く全土がイギリスの植民地となりました。
一度はフランス人達の行動が抑制されるのですが、ケベック法の制定により、フランス系住民懐柔のためケベックにフランス民法の適用と宗教(カトリック信仰)の自由および領主制の維持が認められました。
また、カナダ立憲条例により、ケベックがオタワ川を境界にアッパー・カナダ(現在のオンタリオ州、英語圏)とローワー・カナダ(現在のケベック州、フランス語圏)の2植民地に分離されます。
こうして、カナダ国内にフランス語を主とする地域が現在まで残ることとなったのです。
カナダの首都がオタワとなった理由
上述の続きとなりますが、当時勢力を持っていたのがケベックのアッパーカナダとローワー・カナダ。
しかし、イギリス系住民とフランス系住民の仲が悪かったため、ヴィクトリア女王の裁定により、イギリス系のトロントとフランス系のモントリオールとの中間地点であるオタワが連邦政府の首都に定められたのです!
カナダの歴史についてはこのページの最後にまとめてみましたので、そちらもご覧ください。
カナダの英語
カナダの英語は、比較的アクセントがなく綺麗で、日本人にも非常に聞き取りやすいです。
イギリス領だったこともあり、綴りはイギリス英語を主に使用します。
例えば、アメリカ英語で「-or」で終わるものは、イギリス英語は「-our」、
アメリカ英語で「-er」で終わるものは、イギリス英語は「-re」となります。
いくつか単語を挙げてみますね。
日本語 | アメリカ | イギリス | カナダ |
色 | color | colour | colour |
味 | flavor | flavour | flavour |
お気に入り | favorite | favourite | favourite |
中心 | center | centre | centre |
メートル | meter | metre | metre |
他には、語尾を上げる傾向にあるので、カナダ以外の人が聞くと、肯定文でも質問しているかと思われることもあります。
語尾と言えば、カナダは「eh?」と肯定文の最後につけることでも有名です。
意味は「~でしょ?」です。
アメリカでは「right?」と使うのが一般的です。
カナダ人の特徴
カナダ人は比較的おおらかで優しい人が多いです。
アメリカ同様多人種国家ですが、アメリカと大きく違うところは、文化が違う人にも寛容で、アクセントのある英語を話されても、一生懸命聞こうとしてくれます。
どちらかと言うとのんびりしていて、自然が大好き。
夏はとにかく外で過ごす傾向にあります。
東部は冬がかなり寒いため、冬になるとカリブ海に浮かぶ島国へ旅行をしたり、特に定年退職された方はアメリカのフロリダ州で過ごす方も多いです。
カナダの先住民
カナダに住む先住民をファースト・ネーションズ(First Nations)と呼びます。
但し、イヌイットもしくはメティ以外の民族を指します。
現在、カナダには50を超える民族に50種の固有言語を有する、630を超えるファースト・ネーションズの共同体が存在し、そのうちおよそ半分はオンタリオ州かブリティッシュコロンビア州に居住しています。
アメリカ合衆国が先住民をNative Americanと呼びますが、カナダではNative Canadianという呼び方はしません。
カナダの歴史
1497年、イタリア人のジョヴァンニ・カボート(ジョン・カボット)がイングランド王ヘンリー7世の命を受けて大西洋側を探検。現在のニューファンドランド島に上陸。
1523年、フランス王フランソワ1世の命を受けたフィレンツェのジョヴァンニ・デ・ヴェラザノが現在のノヴァスコシア州を「アカディア」と名付ける。
1534年、フランソワ1世の命を受けたフランス人ジャック・カルティエがガスペ半島に上陸し、1541年にかけてセントローレンス川を遡上探検。
この地を「カナダ」と名付けたところからカナダは始まります。
1535年、カルティエが9月にスタダコナ(現在のケベック・シティ)、10月にはオシュラガ(現在のモントリオール)に到着し、これらをフランス領土と宣言。
1541年 フランス人ロベルバルが開拓民を率いてスタダコナに到着し、フランス植民地を築きます。
1605年 アンリ4世の命を受けたフランス人サミュエル・ド・シャンプランとピエール・ド・モンがポール・ロワイヤル(現在のノヴァスコシア州アナポリス・ロイヤル)に植民地を築く。
1608年 7月3日、シャンプランがケベックに要塞(プラス・ロワイヤル)を築き、ヌーヴェル・フランスの首都とする。
1610年 イギリス東インド会社の委託を受けたイングランド人ヘンリー・ハドソンが、現在のハドソン湾に到着。
1642年 ポール・ド・ショメディ・メゾンヌーブがヴィル・マリー(後のモントリオール)を建設。
1662年 フランスがニューファンドランドのプラセンティアに要塞を築く。
1670年 イングランドの国策会社であるハドソン湾会社 (HBC) が設立され、ルパート・ランドを国王チャールズ2世から拝領。
1689年 フランスとイングランドとの間でウィリアム王戦争(大同盟戦争)が勃発し( – 1698年)、これに呼応してイングランドの植民地軍がアカディアを攻略。
1690年頃 ハドソン湾会社が派遣したヘンリー・ケルシーがサスカチュワンを探検。
1700年 フランスとイングランドなどとの間でアン女王戦争(スペイン継承戦争)が勃発( – 1715年)。
1710年 フランスの支配していたポール・ロワイヤルが陥落。アン女王にちなんでアナポリス・ロイヤルと改名される。
1713年 フランスがユトレヒト条約によりハドソン湾、ノヴァスコシアおよびニューファンドランドをイギリス領と認める。
1719年 フランス人が現在のプリンス・エドワード島に入植する。
1744年 フランスとイギリスの間でジョージ王戦争(オーストリア継承戦争)が勃発し( – 1748年)、イギリスがフランスのルイブール要塞を占領する。
1748年 10月18日、アーヘンの和約により、イギリスはベルギー、マドラスの解放の代償としてルイブール要塞をフランスに返還。
1758年 イギリスがルイブール要塞を占領。
1759年 9月13日、エイブラハム平原の戦いが起こる。ジェームズ・ウルフが率いるイギリス軍によりルイ・ジョゼフ・ド・モンカムの率いるフランス軍が大敗し、ケベックの要塞が陥落。
1760年 9月、イギリス軍がモントリオールを陥落。
1763年 パリ条約によりサンピエール島とミケロン島を除く全土がイギリスの植民地となる。
1774年 ケベック法が制定され、フランス系住民懐柔のためケベックにフランス民法の適用と宗教(カトリック信仰)の自由および領主制の維持が認められる。スペイン人が現在のブリティッシュコロンビア州に到着。
1778年 イギリス人ジェームズ・クックがバンクーバー島に到着。後にノースウェスト会社(北西会社)に参加するピーター・ボンドが現在のアルバータに毛皮交易所を建設。
1791年 カナダ立憲条例により、ケベックがオタワ川を境界にアッパー・カナダ(現在のオンタリオ州、英語圏)とローワー・カナダ(現在のケベック州、フランス語圏)の2植民地に分離。
1839年 イギリスのダールム総督が、本国に対してオンタリオとケベックとの統合を勧告(ダールム報告)。
1841年 イギリス議会で連合法が可決され、アッパー・カナダとローワー・カナダがカナダ植民地として統合される。
1867年英領北アメリカ法を制定し、両カナダやノバスコシア、ニューブラウンズウィックなどを併せた自治領カナダ政府を成立させた。この立法によってカナダは英連邦の下で自治権を有する連邦となり、オタワに連邦首都が置かれた。ただし、この時点では外交権の付与はなし。
ケベック州はこれまでも何度か独立運動が起こり、独立を決めるための選挙も行われてきていますが過半数を超えることはなく、現在もカナダに留まっています。
まとめ
カナダは自然もたくさんあり、おおらかな人柄の人が多く、英語も綺麗ということもあり、旅行にも留学にも人気の国!
ケベック州ではフランス語も耳にすることができる点がとてもユニークですね。
時差は12時間半~17時間(サマータイム中は11時間半~16時間)なので、昼夜が日本とほぼ真逆!
6つのタイムゾーンに分かれているので、カナダ国内何都市かを旅行する際は、日本からまずは東部へ行き、そこから少しずつ西部へ行くと時差を利用して長く旅行を楽しめますよ☆